福祉・医療スキルアップ移住推進事業

都会から大分へ。弁護士から保育士へ。
Wの決断で充実感を満タンへ

秋篠 仁美さん (34歳)/ 所属:南大分に笑顔咲くえん わらひ

全身から明るさと楽しさを振りまきながら、子ども達と触れ合う姿が印象的な保育士 秋篠さん。
彼女は、10年前まで今とは全く違う人生の計画を立てていました。 そんな彼女の保育士になった経緯、そして大分の今の暮らしを聞いてみます。

先ほど、園長先生から保育士としては 異例の経歴がある方と伺ったのですが

実は、10年前までは保育士になるなんて、私自身も全く想像していませんでした。
元々、正義感が強い性格で、幼い頃からの夢は「弁護士」や「検察官」法律でよい社会を作りたい!人々の生活を守りたい!と燃えて、大学は中央大学法学部に進学し、勉学に励んでいました。

そんな秋篠さんが保育士を目指すようになったきっかけは?

はい。法学部在学中は、弁護士事務所でアルバイトや、学びとして裁判所へ行く機会が多かったのですが、様々な訴訟やトラブルの事例に触れるうちに、私の中で「社会をよりよくするためには何が1番の近道なのか?」と考え込むようになってしまいまして…。

そこで辿り着いたのが保育士?

そうなんです。 大学3年時に、ある講義を受けている時に急に頭に降りてきたのが、自分が本当にしたかったことは… 法律の力でよい社会を作ることではない!よい社会を担う人材を作りたいことだ! そのためには、人が一番最初に人間づくりを行う「保育園で働きたい!」と、人生の夢が確立しました。 なぜ急にそう思ったのか?は未だに分からないのですが…笑 とにかく心の中がスッキリしたのを覚えています。

急な人生の方向転換…周りは反対しませんでしたか?

はい!驚き2割、反対8割。最初は賛成してもらえませんでした。 皆さんは「急にどうしちゃったの?」と驚きますが、私の中では「良い社会を作りたい」という幹の部分は何も変わっていないと思います。司法の場か?保育の場か?自分が貢献する「場」が変わっただけです。

どうやって保育士に

大学卒業後に都内の保育園で保育補助者として働きながら資格取得を目指しました。 同じように、これから保育士資格取得を目指す方におすすめの勉強法は、保育士資格は科目が多いので挫折しないよう、とにかく興味のありそうな科目から勉強していくことと、各地で無料の講座が開催されているのでそこに出向いて刺激をもらい続けることです。

晴れて保育士となった後はどうでしたか?

最初は、東京の保育園で働いていました。折、大学時代の友達と連絡を取ると、正直「生活のステイタスが違うな」と感じることもありますが、それに勝る充実感を得ている自分も感じています。保育士になって本当に良かったです。

でも、大分に戻る予定は無かったのですよね?

大分県出身ですが、大学からは東京で生活し、保育士としても東京でキャリアアップしていくつもりでした。大分に戻ろうと思ったきっかけは「自然」と「繋がり」です。幼児教育には、よく「自然体験」「人や地域の繋がり」などのキーワードがよく出てくるのですが、東京では なかなか実現しにくい…。 私が目指す保育をするには、この2つのキーワードが揃っている大分県へ戻ろう!と決意しました。 これは正解でした。子ども達と自然の中で、そして地域の方々と一緒に保育できています。

都会と大分での保育士として大きな違いを感じることは?

もちろん保育士としての仕事は基本的には変わりませんが、一番は保育士を取り巻く環境が違うこと。そして、それが子ども達へ影響していくと感じています。例えば通勤でも 東京では毎日満員電車にマスク…園に着くまでにクタクタに笑。今は車でスイスイです。そして、ご飯! 大分はとにかく新鮮な地物が、しかも安く食べられます。毎日、エネルギーチャージできます笑
あ!あとは休日の過ごし方も!東京の時はもっぱら買い物。今は、畑仕事やトレッキングや海岸沿いをドライブなど、満喫しています。保育士のそのメンタルが、子どもへ好影響を与えることに繋がっていると思います

充実感が溢れていることがビンビン伝わりますね。

はい!2つの決断を下すのに最初は躊躇しましたが、今は本当に決断して良かったと思っています。保育士という仕事、大分での暮らしは、お金や地位では測れない多くの幸せを感じられるものです。 これからも子どもと一緒に喜びや成長を共有していきます。